猛虎、“竜儀”に爆発寸前…ローテの裏表の差激しく

阪神・岡田監督以下、首脳陣が他球団の中日に対する投手起用に爆発寸前だ。14日はベテラン・桑田を攻略し、巨人戦3連敗を免れたが、その巨人が16日からの中日戦で内海、西村といった若手投手を起用する可能性が高いと聞き及んで、一同、「そりゃないだろう」と怒り心頭なのだ。

 今回の“伝統の一戦”。工藤、上原の粘投で連敗と嫌な流れとなったが、さすがに今季限りかとささやかれる桑田なら、体調不良で打撃不振の今岡でも攻略できる。ぎりぎり許せる1勝2敗で乗り切った。

 ただその間、中日は広島に2勝1敗と勝ち越して、ゲーム差は1.5。平田ヘッドコーチは、「今回の巨人も阪神と戦ったあと(16日から)中日。後半に入ってずっとこういう日程が続いているんだよ。中日が11連勝したときもウチにエース級が来たあとの裏ローテ投手を打ち込んで勝ったもの。ウチにとっては大きなハンデ。そりゃないぜ、という感じだよ」と渋い表情だ。

 かつての強い巨人がそうだったように、他球団が阪神にエース級をぶつけるのは仕方がない。以前と違うのは、いずこも投手陣の層が薄く、ローテーションの裏表の差が激しすぎるのだ。

 これでは中日の勢いは増すばかり。「こうなりゃ、ヤクルトだよ。最近は投打にまとまりがでてきたし、まだ優勝をあきらめる数字ではない。ウチとしては3つ巴になって中日を叩いてほしい」と、某コーチは淡い期待を抱いていた。

 だがこの日、横浜に取りこぼして阪神とのゲーム差が8.5に広がり、少々現実味に乏しくなった。最近では、「中日が勝ってウチが負けという展開になると監督に近寄りがたい。われわれでさえ、他球団が中日に負けると腹が立つんだから、監督は…」(前出コーチ)という状態らしい。

 巨人は、阪神との対戦成績がほぼ互角(7勝8敗)なのに、中日には3勝10敗。それで、「ウチには主力で中日には若手か」と、ますます頭に血が上った次第。虎の理不尽な怒りを抑えるためにも、巨人には竜退治に汗を流してほしいものだ。

夕刊フジより