侍スピリッツの日記

この物語は寡黙な天才打者の今日の出来事の一部を綴ったものである。

今日の昼下がりのこと、雨が降りしきる中一人の男が打席に立った。男は無言でバットを握り締めた。その男は打席に立つと侍になる…。

ボールが来ると男は右へ左へ痛烈な打球を左右に打ち分けた。真芯で捉えたボールは綺麗な弧を描き大空高く舞い上がった。その惚れ惚れする打撃を見ていた少年たちはこう囁いた。

「ホッ、ホームランアーチストや…。」

最後の球を痛烈なセンター返しで飾り、男は「ふぅ。」と肩で息をついた。そして、その男は一言呟いて去っていった。

「さぁ、スピリッツ買って帰るか…。(何たって表紙ガッキーやからな…。)」